「Z.F.40」はGewehr41半自動小銃と共に利用するために制式化されたものの、実戦に投入されたものはほとんどないと考えられる。いずれにせよ、これらに関する情報、その生産や使用状況についての詳細はほとんど不明であるのが現状である。一つの手がかりは、現存するものの観察による情報の集積から考察を行うことである。 これまでの観察結果によると、Z.F.40 には2タイプあることが判明している。 一つ目のタイプは、マーキング名称「Z.F.40*」である。これは、後述する「Z.F.40」より先行して製造されたように思われ、メーカー cxn だけによって生産されている。この ZF40* は、ZF41 2型と同様のレンズ構成をしており、両者の唯一の違いはマーキングのみであると思われる(もちろん、これは再刻印以外の大幅な改修はされていないという前提による)。 もう一つのタイプは「Z.F.40」である。このタイプは、複数のメーカーにより生産されており、これらは cxn の他、cag、dow、dym、esoの計5社である。Z.F.40は、マーキング以外はレンズ構成等が ZF41/1 とまったく同じであると言ってよい。 今日現存する ZF40* や ZF40 は、ほとんどすべてがそれぞれ ZF41 もしくは ZF41/1 に再刻印されている。留意すべき点は、「40*」または「40」を削除する方法がメーカーごとにすべて異なっているということである。 |
今日、めったに見られないもの。 無修正のマーキング「Z.F.40*」は、あまり現存しないと思われる。本品も、接眼レンズが欠損した不完全な形で発見された。 |
今日、通常見られるもの。 ほとんどすべてのcxn製 Z.F.40*は、「40*」が削り落とされ、脇に「41」が打刻されている。 |
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cxn製 ZF40のマーキング。 ZF40*と同様、「40」が削り落とされ、脇に「41/1」が打刻されている。(写真提供:Paul P. Poellinger氏) |
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dow製 ZF40 の現在の姿。 「40」上に打ち消し線が引かれ、脇に「41/1」が打刻されている。打ち消し線は通常1本だが、2本である物も確認できる。 |
当初は ZF40 であったと推定できる cag製ZF41/1。 すべてこのように「40」が削り取られ、その上に「41/1」が打たれている。 | |
新たな発見!dym製のZF40-ZF41/1である。これまでの4社とまた異なる手法で改修されている。 (写真提供:pieand氏) |
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