■ZF41シリーズの変遷(続き)
型式の変遷過程を類推してみると、以下のとおりになる。
(1) 1941年以前
- ZF41 1型と同型であるが、形式名やメーカーコードが打刻されていないものが存在する。("Busch
Rathenow"の刻印)
- その後、型式名はないがメーカーコード刻印ありのものが出現。(bmj、cxnのみ確認)
(2) 1941年初、ZF41 1型 生産開始("Z.F.41"と刻印)
- 1941.4.26付Merkblatt掲載の写真は初期型のレインシールド
- グリース記号"K.F."(*1)が打刻されているものは1940〜1941年の生産品である可能性が高い。
- K98k-Zf41の採用が正式に告示されたのは1941年7月14日付。
(3) 1942年初〜中、ZF41 1型 量産(主としてcxnによる)
- グリース記号"○"が打刻されているものは1942年以降の製造。
- K98k-Zf41マニュアル(1942.2.10付)には1型の写真が掲載されている。
(4) 1942年末、cxn製ZF41 2型 (及び同型のZF40*)生産開始
- これらには当初はグリース記号"○"が、後にはすべて"+"が打刻されている。
- G41+ZF40の唯一の写真は1942.11.17付け文書(*2)に掲載。写真は小さいが、ZF40は後期型(2型又はZF41/1)と同型に見える。
(5) 1943年初、ZF41/1(及び同型のZF40)生産開始
- 1943.4.16付文書に"ZF40+"、"ZF40"、"ZF41/1"の名称が記載されている(*3)。
- 1943年初頭付文書で、ZF41の改良版は「当初ZF42と名づけられたが、最終的にZF41/1となった」とするものがある(*4)。
- 「Merkblatt25/4」(1943年5月15日付)には「D136/1」からの引用として1型の写真が掲載されていることから、この時点以降とも考えられる。
(6) 1943年内、ZF40*及びZF40の発注取消、ZF41又はZF41/1へ改修
- G43の生産開始は遅くとも1943年の10月頃、それ以前にレール付G41やZF40等の生産は中止されたと思われる。
(7) 1944年以降、ZF41/1の生産は急減する。
- Page 2に記述したとおり、ZF41の支給を1943年12月末で中止するという文献が存在。
- これまでの調査結果では、現在のところcxn製のZF41 Type2が一番多い。それに対してcxn製ZF41/1はかなり少なく、1944年から1945年までフル生産が継続されたとは思えない。
- cag、dowでは1944年以降ZF41系を製造していないと思われる。
- 記号"△"が示すグリース(種類名称不明)は1943年後半に導入されたと考えられるが、"+"の横に追加で"△"が打刻されたものは多数確認できる(これらは後の改修を示す)ものの、"△"のみ打刻されたものはあまり確認できていない。これはつまり、△への改修がなされた時点(△のグリースが適用された時点)ではすでにZF41系の生産はあまり行われていなかったことを示唆すると考えられる。
以上を図示すると以下のとおりとなる。
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